森林系バイオマスネットワーク

ここでは、さんさんコンソからの発信を基に、バイオマス関係者間で交換されたご意見をご紹介します。
森林系バイオマスペレットの価格などについて、貴重なご意見をいただきました。(平成23年6月15日時点)

ご意見のまとめ

・ペレット燃料活用について
NO1. さんさんコンソ 渡邊
カナダが販売している燃料用ペレットの価格に関するデータがありますので、紹介します。

韓国の長期的エネルギー政策・具体的目標として、2020年に500万トンのペレット燃料確保を挙げています(化石系燃料の高騰を想定?)。
その内、400万トンを海外から輸入する計画ですが、既に、関係各国からの輸入を開始しています。
カナダからの輸入価格は(80円/$として)16,512円/ton です。
この価格が、国際流通価格の標準となるのであれば、この売値での事業性を考える必要があります。

国内での再生可能エネルギーの全量買い取り制を活用し、夏季は中小水力発電を主体にせっせと森林系バイオマス燃料の製造を行い、冬季にコジェネ(電力+熱供給)事業を展開することで、エネルギー問題に貢献する仕組みを作ることが、我が国の(特に、中国地域や東北地域の)1次産業を支える基礎になると考えてます(1次産業の6次産業化?) 。
NO2. 北見工大 三木先生
ペレットを熱のキャリアという形で使うことは蓄熱の困難さという理由から期待されます。
それだけではなく、私共は、近年、「植物工場」に関心がありますので、ペレットでの暖房(17円/kgのペレットが使えれば現在でも有利な選択肢)と、CO2を供給する役割に特に注視しています。
ガス発電所はもちろんのこと、大規模な木質燃料コージェネの施設に併設して植物工場を建設し、余ったCO2は近郊のヤナギ圃場に供給するというイメージです。

「植物工場」を中心に置くと、田中耕一氏の提言する「融合科学」を通じて、日本が今後変わらないといけないイメージに沿った過程を実践できます。
「科学者、研究者はもっとコミュニケーションを」
NO3. 産総研 M氏
輸入価格は(80円/$として)約17円/kg(ペレット)とのお話ですが、国内産ペレットは約30~35円/kg(ペレット)ではないでしょうか(安いもので)。
我が国の一次産業を支えるという観点からは、高くても国内産ペレットを使うべきで、そうすると必ずしも価格的に有利な暖房手段ではないと思われます。
産総研である私の立場としては、産業用にはできるだけ安価なペレットを使いたい。
価格の話は、輸入・国産を考えて、慎重な議論が必要ではないでしょうか。
日本木質ペレット協会では、何らかの議論をされているのでしょうか?会員の方が居られましたら、是非、情報提供をいただければと存じます。
NO4. さんさんコンソ 渡邊
国内のペレット流通価格が約30~35円/kg(ペレット)との事ですが、これが国内での限界価格と言うことでしょうか。
最近、カナダのセールスが、国内の電力会社やバイオマス発電事業者(IPP)を訪問して、ペレット燃料の拡販を推進中です。
このままだと、価格差ゆえに国内ペレット市場は輸入材に(過去の輸入木材同様に)占拠され、国内林業の競争力ばかりでなく流通メカニズムを喪失します。
現時点では、「実業としての国内林業」を守る(未来市場を創る)活動が必要です。
高くても国内産ペレットを使うことには大賛成ですが、国産ペレットが国際競争力を持つことがベストです(今後は国際流通商品になる筈)。
幸い、国産材の価格優位性が出てきました。

そこで、さんさんコンソでは、国内流通の仕組み改善が必要と考えています。
具体的には、「素材生産業者」の大型化・活性化(システム化?)です。
上手く行けば、木材輸入業者さんは、次の段階で輸出業へ転進することになるかも。
国内での燃料用ペレット流通システムが(先ずは再生可能エネ電力の全量買取制にリンクして)育成されることを期待します。
NO5. 某北海道研究機関 Y氏
チップボイラーにつきましては北海道では木材産業を中心に導入されています。
その他の事例としては、温泉施設、クリーニング工場などに導入され、重油価格高騰と相俟って順調に稼働しています。北海道のペレット工場はほとんどが年間生産量 1,000t 以下です。
この規模ですと、原料コスト10円/kg、生産コストは20~30円/kgで、三木先生が仰るように流通価格は40~50円/kg程度です。

発電混焼用として要求される価格を実現するためには、生産規模の拡大と、安価な原料の安定大量確保が必要となります。
一方、この価格はカロリーベースで現状の灯油とほぼ同等ですので、灯油代替の家庭用燃料としての道民の関心は高まっています。

エンドユーザーからは、安定供給体制の構築などの他に、発電はできないのかという要望があります。
過去にペレット燃料として小型のガス化発電を試み、困難であることは理解していますが、小型のガス化発電装置、スターリングエンジンなどについて、情報をご提供いただければ幸いです。
NO6. 新潟某大学 K氏 
国内では岡山の銘建工業が最安値でしょうか。
次いで飛騨の木燃ですね。
20円/kg 前後で出しています。
木燃はミルクタンクによる大口利用者向け販売ですが。
フレコンではもう少し高くなり、20kg入りだと30円/kg くらいになるのでしょうか。
NO7. 某炉メーカ S氏
ペレットの輸入量と価格については財務省貿易統計のホームページで調べることができます。
ちなみにカナダからは平成22年度は 57,192トン輸入され(製紙用以外のチップも含む)うち舞鶴では 51,134トンが水揚されており、平均価格は16.5円/kgです。
だとすれば国産と比べると値段もさることながら、国産ペレットの全生産量と同等ではないでしょうか?
我が国では、バイオマス資源が分散しているでは、なんらかのインセンティブを与えないと苦しいでしょう。
NO8. 某北海道企業 K氏
一般論ですが、カナダからのペレット輸送費は 3~4000円/t (パナマックス8万t級(石炭積載量))程度です。

また、電力でも中部電力(輸入チップで年間最大40万t)、東京電力(輸入ペレットで年間最大7万t)を使用中(又は計画中)で、これらの購入価格も2万円/t 以下のレベルと推測されます。
中部電力では石炭専用港でない港で荷揚げして発電所までトラックで横持ちしています。
東京電力向けへ国内ペレット供給を検討した●●興産さんに以前に聞いた話ですと、7万トン全量供給するペレットプラントを発電所近郊に新設し近隣からの林地残材等を使用したコスト試算をしてぎりぎりコストダウンをしても2万円/t を超えてしまい、輸入ペレットよりも割高になり、契約には至らなかったとのことでした。
中部電力も近隣県に国内チップ供給を打診しているようで、私の知っている会社の方から2万円/t 程度で輸入物と競争できるだろうかとのお話を聞いています。

従って海外の大型ペレットプラントのコストは1万円/t 程度で、港までの輸送費が2,000円/t 程度と推測できるのではないでしょうか。
NO9. 某北海道立研究機関 Y氏
ペレットばかりが安いわけではありません。2×4材も安いです。そのため、国産の2×4製材は厳しい状況にあり、ほとんどの2×4住宅は輸入材です。
この理由の一つは、電気料が安いことにあると思います。ペレットもおそらく、BC州でつくられていると思いますが、ロッキー山脈のふもとの水力発電所で安いように聞いています。

製材品で言えば、原木の輸送も広い道路を2連結のトレーラーで運んでいます。そういう意味での規制は少ないのでしょう。
製材は、高能率の機械で3シフト性で操業されています。高速度で鋸を通すので、日本より厚鋸で、鋸屑もたくさん出ます。さらに2×4材はプレーナー仕上げで、屑が出ます。乾燥は木くず炊きボイラーを使っていても、余るほどの木粉が出るようです。 その意味で、原料価格が低いこともあるでしょう。
また、北米の林産業は資本があります。
一方、十数年前ですが、工員の賃金は安いようでした。インド人など外国人も多かったです。
NO10. 某シンクタンク 某氏
さて、バイオマス部会でメールが飛び交っておりますが、少し情報提供をと思い、お送りします。 (内々の情報と言うことで。)
●NEDOによる木質系バイオマスの調査報告書があります。
タイトル:「エネルギー利用可能な木質バイオマスに関する最新動向調査」
NEDO管理番号:20100000002337 
林野庁の再生プランとの関連も含め、真面目に作成されています。
※NEDOの報告書データベースは こちら へ(ユーザーログインが必要です)

●同調査報告書にありますペレット関連の情報です。
・皆さんのおっしゃるように、30~40円/kgの水準。
・間伐材主体の場合もっと高くなる可能性あり。
・岡山県の某事業者さんでは、集成材の残材を原料に20円/kgで販売しているようです。
・この事業者さんは、輸入材を用いてますが、規模も大きい事から安いと思います。
・その結果、中国・四国エリアへの販売が活発化して、地域内での販売競争が起こっています。

●その他
・国内電力会社は地元対策もあり、林地残材ペレットを発電用に使うよう努力しています。
・しかしながら、本気のビジネスベースでは、関電さんのように北米のホワイトペレットを使用。
・固定買取がスタートし(RPS法は廃案)、また、供給新法で電力の低炭素化が義務づけられる等の方向から、今後ペレット燃料の利用拡大は?。
・しかしながら、大手の木材輸入会社である某商事は、国内に大型のペレット工場を建設している。


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